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景気の悪化とともに、アパートやマンションの空室がなかなか埋まらないという現実
のなかで、大家さんや部屋の所有者の経営状況も苦しくなってきています。このため、
そのアパートや部屋が金融機関や税務署により差し押さえられているという事例が多く
ています。その結果、入居中に競売が実行され、落札人(新所有者)より、突然、「明渡
請求」をうけ、敷金も返還されずに転居せざるを得なくなった。という事例が増えてき
ました。
これは、そのアパート等の賃貸契約前に抵当権や差押の登記がされているためです。
「抵当権」の設定登記がされている場合、3年を超える建物の賃貸借契約は抵当権者に対
抗する(賃借権を主張する)ことができません。また、3年以内の賃貸借契約であっても、
差押登記後から新所有者(買受人)に所有権が移転するまでの間にその契約の期間が終了
する場合は、その終了後の賃借権も同様です。さらに、「差押」の登記がされている場合
は、3年以内の期間の賃貸借契約であっても、賃借権の主張をすることができません。
このため、入居者は新しい大家さんから、何の保証もされずに再度、敷金や引越し代
を用意して、新たな引越し先を探さなければならなくなってしまいます。
このような事態が発生する原因としては、主として、仲介業者の調査不足があげられ
ます。仲介業者には、法律で重要事項の説明が義務付けられ、その内容として「差押」や
「抵当権」の有無はより重要な事項とされております。これらは、法務局において謄本を
閲覧することで簡単にわかります。したがって、このことが守られている限り、こうし
た事態が発生することはあり得ないと言えます。
今後、このような事例は急増することが予想されます。したがって、このような基本
的な義務を果たしているか否か・・・は、信頼できる仲介業者かどうかの判断の基準と
しても大事になってきています。