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不況が長引く中で、自殺者の件数も交通事故死を上回る状況で増え続けて
います。そのような中、非常に安い物件と思って買った住宅が、住んでから
まもなく「住宅内で自殺があったことを知った」という話を聞くことがあり
ます。買うときに本人は、安すぎるとの疑問もあったようですが、不動産の
下落が進んでいる状況と売却を急ぐ経済的な事情があるということから、「掘
り出し物」と思って買ったとのことです。
こうした物件は、いわゆる「事件物」と呼ばれますが、買主によって気にし
ない人と非常に気にする人が居り、その嫌悪度についても個人差があります。
気にしない人は値段をとるようですが、気にする人はとても住めた物ではな
いということになります。そこで、買主は何とか解約できないかと考えるわ
けですが、これは売主が不動産業者か一般の個人かによって、違いが出てく
るようです。それは、不動産業者には、このような自殺・殺人・暴力団など、
一般的に見て買主が「嫌悪」する事情があるときはその内容を「重要事項」として
説明しなければならない義務があるからです。また、一般の個人の売主の場
合はそのことを聞かれているにもかかわらず答えなかったとか、嘘を答えた
などの場合はその責任を追及することができると思います。さらに、その売
買契約が個人間の取引であっても、媒介業者として不動産業者が関係してい
た場合は、その不動産業者は善管注意義務(一定の調査義務)を課せられて
いますので、その範囲内で損害賠償等の責任を追及できることになります。
ただし、その事件がかなり昔の事件であったり、事件後に別の所有者が入
居していた事実があるような場合は、あえて買主に知らせる必要はないとい
う考え方もあるようです。
いずれにしても、長期間生活を続けていかなければならない住宅ですから
その建物内で自殺があったということは、日常生活の精神衛生面からみても
決して軽い出来事ではありません。大事な財産を失うかもしれないという行
為なのですから、万一の場合には、契約が解除できるあるいは最悪の場合で
もある程度損害が保障される法律や制度が適用されている不動産業者を通じ
て行うのが最善といえます。