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建築後数十年を経て老朽化した建物が建っている土地や建物を建てた後に分
割された土地の中には、現在の建築基準法に適合していない建物が建ってい
る土地が少なくありません。そして、こうした土地に立っている建物は、い
わゆる「既存不適格建物」に該当します。
住宅の敷地は建築基準法の道路に接していなければ建物を建てることがで
きません。建物が建てられる土地とは、原則として、幅員が4m以上ある道
路に土地の間口が2m以上接していることが必要です。
通常、中古住宅を購入する人は、将来、建て替えることを前提にしている
と思います。また、現に家が建っている場合、専門家でない買主は建替えが
できるものと思ってしまうのも当然のことです。そしてこのことは、同じく
専門家ではない個人の売主の場合も「現在、自分の家が建っているのだから、
大丈夫」と思い込んでいることが多く、何の疑問も無く売買契約を結んでし
まうことになります。
しかし、土地や建物の購入者にとって、再建築が可能かどうかは契約の意
思決定の重要な判断要素になります。このため、宅地建物取引業法では、売
主あるいは仲介業者となった不動産業者には、建築または再建築できない土
地を売ったり、仲介する場合は、購入者に対してその旨を十分に説明する義
務があります。この義務が充分に果たされていない場合、買主は、契約の解
除および損害賠償の責任を追及することができます。
不動産業者と関係なく契約された個人間の売買であっても、民法による
「錯誤」を主張して、契約を解除することは可能ですが、問題は既に支払わ
れた金銭が返還される確実性がきわめて不安定なことです。
不動産業者には、宅地・建物の取引の安全のために専門業者として、この
ような制限の有無の調査および説明義務が課されていますから、思い込みに
よる安易な売買契約を未然に防ぐことや契約してしまった場合の損害の拡大
を出来得る限り小さくすることが可能となります。