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売買トラブル

その8 注文住宅が欠陥住宅?

 『新築の戸建てが欲しい』と思ったら、建売よりもやはり注文住宅ですよね。

そこで請負業者とアレコレ打合せをかさねて、住宅を建てることとなりました。
建築確認を経て、土台工事、上棟式へと建築工事は進んでゆきます。ところが、
この段階までに数々の不具合が生じてきました。基礎工事の手抜き・設計図とま
ったく異なる施工・粗悪材料の使用・設計そのもののミスなど・・・。しかも、
請負業者にそのつど改善を求めたが、改善は不十分で工事が進めば進むほど事態
は悪化するばかり・・・。そして、他の業者に欠陥を修繕させて、建築を続行さ
せても通常の住宅を完成させることは不可能となり、住むことの出来ない欠陥住
宅が・・・。                              
 こんなとき、アナタはどうします? 民法635条では、『仕事の目的物に欠
 陥(瑕疵)があって、そのために契約をした目的を達することができないときは、
注文者は契約の解除をすることが出来る。ただし、建物その他土地の工作物につ
いては、この限りではない。』
となっています。つまり、仕事に重大な欠陥があ
る場合は契約を解除できるのが原則ですが、建物・塀・道路などの土地の工作物
に関する請負契約の場合は解除できない、ということになります。      
 民法のこの規定の趣旨は、完成した建物を除去することが請負業者にとって過
酷であり、社会経済的にも損失が大きいからと説明されています。この結果、
築物が完成した段階では、契約解除をすることが出来ません。
では、完成前では
どうなのでしょうか?                          
 この点について、すでに竣工した部分を除いた残りの部分の請負契約を解除で
きるとした判決や完成される以前なら債務不履行の一般原則に従って契約解除で
きるとする学説・見解が多くあります。いずれにしても、建物完成の有無による
と考えられているということです。                    
 それでは、建物の完成とは?どの時点で言えるのでしょうか?建築工事の工程
がまだ終わっていない場合は明らかに未完成といえますが、工程は終わったがそ
の建物に重大な欠陥がある場合は本当に『完成した』とは言えない様な気がしま
すよね。でも、この場合は、条文の但し書きが適用される。・・・?何がなんだ
か判らなくなりそうですが・・・。                    
 これに関して判例では、『建築請負契約の場合、専ら請け負い工事が当初予定
された最終の工程まで一応終了し、建築された建物が社会通念上建物として完成
されているかどうか、主要構造部分が約定どおり施行されているかどうかを基準
に判断すべきもの』としています。また、建物ではなく機械の改造請負契約です
が、『請負工事が予定された最後の工程まで一応終了し、ただそれが不完全で補
修を要するときは、仕事は完成したがその目的物に瑕疵(欠陥)があるときに該
当する』との見解を示しています。                    
 これから考えられることは、『仕事の工程を終了しているか否か』および『社
会通念として建物として取扱えるか否か』といったことから判断される
ことにな
りそうです。                              
 チョット長くなりましたが、・・・どうですか? 建物が明らかな未完成の場
合は『契約解除』などの方法で対応できますが、もし・・・欠陥のまま建物が完
成してしまったら・・・。そしてその欠陥が、2〜3年後になってから判明した
としたら・・・。アナタは人生を狂わすほどの負担を背負い込むことになるかも
しれませんよ。こうしたリスクを回避するためには、多少の費用がかかっても請
負業者とはまったく関係のない建築家や設計業者などに依頼して、請負業者の工
事をしっかり管理・監督してもらったほうが安心できると思いませんか?